福島原子力発電所 事故                                     初版:2011/9/30  改版:2012/2/19

冷温停止状態宣言:2011/12/16
   東電は、良くやってきた。  国は、ただ監視していただけのように思われる。(政府・民主党の危機管理は相変わらず甘い

  「冷温停止状態」に、1ケ月早く達成したと言っているが、現実は原子炉の状況が完全に把握できていない
  (1) 圧力容器の温度は、67℃以下になっているが、ここにある燃料棒は少し。
     多数が格納容器
に溶け落ちており、この格納容器の状態と温度は不明とのことです。(もっと調査しないとダメですね)
  (2) 冷却水は、処理しても処理しても、増加して対応に苦慮している。             (地下水対策がダメなのですね)
  (3) 原発敷地境界の年間1ミリシーベルト以下は、過去の放出した放射線量は差引いている。
     実際は(過去の放射線があるので)、年間約95ミリシーベルトになっています。     (注記しない発表は困りますね)
  (4) 東電の考えを、国が監視や諌める等のことをすべきで、step2の工程が完了したと宣言するのは、いかがなものか?

  東電の福島原発・工程表Step2にリンク(2011年 5月 7日)
  中長期ロードマップ(東電にリンク)   (2011年12月21日)

<以下初版>*******************

国がやるべきこと
  土壌の除染作業・・・・除染には限界があります。
                チェルノブイリでは、除染ではなくその土地から退避している。
                国の考え方は、甘いと思われます。
  

放出放射能
  原子力安全に関する国際原子力機関(IAEA)閣僚会議に対する日本国政府の報告書−東京電力福島原子力発電所の
 事故について−(平成23年6月 原子力災害対策本部)によれば、福島第一原子力発電所の原子炉からの空気中への総放出量は、
 131I(ヨウ素131)について約1.6×1017 Bq、137Cs(セシウム137) について約1.5×1016 Bq と推定されており、
 また、海水中に推定総量として4.7×1015Bq強の放射性物質が流出したと推定されている。

総放出量:ヨウ素換算で770,000TBqとなっている。
空気中 131I  =約1.6×1017 Bq=160,000TBq
空気中 137Cs =約1.5×1016 Bq= 15,000TBq=>ヨウ素換算600,000TBq (換算数値40倍)
     海水  =  4.7×1015Bq=  4,700TBq 試算
                      (15,000TBq:日本原子力研究機構の試算値(9月9日の新聞)
 空気中合計 =160,000+600,000=760,000TBq
           (ヨウ素換算値40倍が報道されないで、突然77万TBqとなり、解りづらかった) 


原爆との比率 (2011/8/25)
  政府の東京電力福島第一原発の1〜3号機事故と、広島への原爆投下で、大気中に飛散した放射性物質の核種ごとの試算値まとめ 

TBq TBq  TBq(テラベクレル)=1012
核種 福島第一原発
1〜3号機
広島原爆 原爆との
比率
半減期  備考
137Cs 15,000 89 168.5 30年  セシウム
131I 160,000 63,000 2.5 8日  ヨウ素
90Sr 140 58 2.4 28年 ストロンチウム


5重の安全(福島原発)
 (1)ペレット・・・・・・・・・・・(ウラン燃料を焼き固めたペレット)
 (2)さや管 ・・・・・・・・・・・(ペレットを入れるジルコニューム合金製)
 (3)圧力容器・・・・・・・・・(厚さ16cm)         <=漏れあり
 (4)原子炉格納容器・・・(厚さ3cm)         <=漏れあり
 (5)原子炉建屋・・・・・・・(厚さ1mのコンクリート) <=水漏れが発生

  ★ 原発は、安全だったか?  根本的には、何もやれなかったが、結果的にはペレットの溶融で安全が保持できた。
                    (5重の安全の1番目のみが機能した)
  ◆ストレステストとか言い出して、「建屋の爆発対策でドリルを用意して穴をあける」が対策になっている。
    安全性への本気度が幼稚すぎます。自動的に建屋が開けば良いではないか?(東京ドームの逆圧力方式等)
  ◆政府が原発の再稼働を止めたりしているが、福島原発対応の無策でも何とかなっているのならば、安心できるのでは。
    パソコンがこの30年で進歩したように、古い原発は休止にして、新型に移行するのもエネルギー対策の手段と思われる。 
    事故時の写真を見ると、計測類が、非常に古いものが目立ちます。

1)原発の安全性

No 記述月日 質問 状況
2011/7/25 原発は安全か? 何もやれなかったが、安全だった
5重の安全では、ペレットが効果を発揮した
    8/21 運転再開 泊原発(北海道電)が3号機・再開運転 ( 加圧水型軽水炉:2009年12月22日運転開始)
新型は、運転再開すべき。<制御棒は上部から:自然落下型>
2 2011/7/28 制御棒 制御棒は、下から入れる方式
(自然落下型が地震国では必要だ)
3 2011/7/28 使用済み核燃料 原子炉建屋の上部に保管:
(安全性を重視するならば止めるべき)
 2011/8/20  安全性  現在の福島の国の対応が安全と言っているならば、逆説的には安全である。
でも実際は、放射能汚染が大問題です。
 2011/9/6  ストレステストで
安全が確保できるか
 600人体制でストレステストを実施開始、これで安全は確保できません
 システム設計で性能(安全性)は、決まります。今やっても役に立ちません・駄目です。
 (ストレステストでは、設計通り建設されたかチェックされるだけです)


2)対策

No 記述月日 国がやるべきこと 状況
1 2011/7/25 土壌汚染の調査 福島県を調査中
2 2011/7/25 汚染の処理対策 ようやく国が動き始めた(8月20日?)
3 2011/7/28
2011/9/1
個人線量計 子供への影響の対策として、ガラスバッジを装着すべき
(2011/9/1:ガラスバッジ配布)
 2011/9/  乳児の尿検査  3歳未満の乳児の尿検査実施


3)怖いもの

No 記述月日 怖いもの 状況
2011/7/28 空中への放射能拡散 今でも続いているとは、恐ろしい
2011/8/21  〃 8月でも2億Bq/hも放出されている(9月も同じ放出量)
2 2011/7/28 水への放射能汚染 海中へ何度か放出
   2011/9/9    
3 2011/7/28 風評被害 風評被害と言うのではなく、真剣に放射能被害を考えるべきである
 2011/8/21 福島の牛肉  牛の内部被曝(水や草等からの放射能被曝が発生している)
稲わらの比ではないだろう(稲わらは与えていなかった) 
 2011/9/20  敷地境界の被曝推定量  年間0.4mSvを達成したと報道されているが、おかしい
<土壌からの放射線量を差し引いた、新規・放出量のみカウントのようだ>
 西門では、12μSv/hであり、年間では105mSvになる。

4)個人の安全対策

No 記述月日 怖いもの 状況
2011/7/28 放射能の内部被曝 3月12日〜31日に大量のヨウ素が放出されている。
3月に福島に長く滞在した人々は検診が必要
2011/8/21  〃 福島県の児童1149人を調査して半数からの約40%からヨウ素を検出
最大値は35mSv。(100mSv以内なら、「健康に影響が出る値ではない」と)
2 2011/8/21 放射能の外部被曝 案外と少ないようである


5)その他
  (1) 小生、50年前に、東海村の原子力発電の施設を見学しました。(まだ原発の実験段階でした)
     当時は、原子力の扱いに、怖いくらいの神経がゆき届いていました。
  (2) 柏崎刈羽原発(東電)は、柏崎地震前と地震後に2度見学しました。
  (3) 友達の友達の話:放射能・内部被曝の影響で白血球が極端に低く、ケガをすると1か月は出血が止まらないそうです。
                    (国内で飲料水による被害のようです)

報道されるデータが、その都度、新単位系で報道され整合性がとれず困ります。
そんなわけで、本ホームページを作成しました。