福島原子力発電所・事故の単位変換
公表される、単位系の整合性の記述がないので、整合性を図るため本内容を記載しました。
<単位系の関連が、Webを調査しても出てこないのは、原子力学会が気にしていない(未確立))ためなのでしょうね
確立されているのは、放射能の医学会からの情報ばかりのように思われます。>
ベクレル(Bq) | 1秒間に放射線を出して崩壊する放射性物質の数 |
シーベルト(Sv) | 空間の放射線量や人体が被曝した放射線量 放射線には複数の種類があるが人体への影響が同じになるように補正する |
1Sv=1,000mSv(ミリシーベルト)=1,000,000μSv(マイクロシーベルト)
1 BqとSvの関係(ベクレルとシーベルの関係)
1)単位系の関係
表1-1参照
2)計算
文部科学省は、発表している(別紙1〜別紙4)について、検討しました。
別紙2は、のセシウム134と137の合計値である。{それぞれ別紙3(134Cs)と別紙4(137Cs)の合計値}
表1ー2の1行目で計算してみると、
別紙3は、セシウム134の(m2)当たりのベクレル値で、マイクロシイベルトに換算すると79.38μSv/hになる
別紙4は、セシウム137の(m2)当たりのベクレル値で、マイクロシイベルトに換算すると30.87μSv/hになる
合計すると、110.25μSv/hになる
3)実測(航空機モニタリング結果: 別紙1)
別紙1の実測のセシウムの放射線量は、実測 91μSv/h になっています。
4)考察
別紙1の91μSv/h と表-2の計算値110.2591μSv/h がほぼ同じになりました。
(80%補正値等があるのかも知れませんが、ほぼ単位が合ってきました)
300〜3,000万Bq/m2もの放射性物質が土壌にあるのは、異常な事態ですね。
これについて指摘や対応がされていないのは、大問題ですね。Svにのみ関心をとらえていると大変なことになるのですね。
( チェルノブイリが55万Bq/m2 なのですから異常な状況ですね )
表1-1 SvとBqの対応 | ||||
IAEA 換算係数 | ||||
放射性物質 | 半減期 | [μSv/h]/[MBq/m2] | Sv/(Bq/m2) | ヨウ素換算値 |
I-131 | 8日 | 1.3 | 1.3*10^-12 | 1倍 |
Cs-134 | 2.06 年 | 5.4 | 5.4*10^-12 | 2.8倍 |
Cs-137 | 30.2 年 | 2.1 | 2.1*10^-12 | 40倍 |
表1-2放射線量 | ||||||
放射線量 | 134Cs+137Cs | 134Cs | 137Cs | 134Cs | 137Cs | 計算:別紙1 |
別紙1(μSv) | 別紙2(Bq/m2) | 別紙3(Bq/m2) | 別紙4(Bq/m2) | 別紙3 (μSv/h) |
別紙4 (μSv/h) |
合計(μSv/h) |
91 | 30,000,000 | 14,700,000 | 14,700,000 | 79.38 | 30.87 | 110.25 |
19 | 3,000,000 | 3,000,000 | 3,000,000 | 16.20 | 6.30 | 22.50 |
9.5 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 5.40 | 2.10 | 7.50 |
3.8 | 600,000 | 600,000 | 600,000 | 3.24 | 1.26 | 4.50 |
1.9 | 300,000 | 300,000 | 300,000 | 1.62 | 0.63 | 2.25 |
別紙1〜別紙4は、文部科学省の計測情報です
2 BqとSvの関係(土壌)
ベクレルは、通常[Bq/kg]単位で表現され、土壌の場合は[Bq/m2]で表現されている。
両者は、換算係数20で換算されています。 (出典については調査中)
表2 SvとBqの換算(土壌) | |
土壌(kg) | 土壌(m2) |
[Bq/kg] | [Bq/m2] |
1 | 20 |
21 年間推定被曝量
推定被曝量は、屋内8H、室内16Hとして、40%低減した数値で計算されている。
実推定量は、1.66倍すること。 「実推定量Sv=(推定被曝量Sv)/0.6=1.66×(推定被曝量Sv)」
こんなところにも、姑息な細工がされています。 (木造家屋での低減率は10%程度と言われています)
3 食物(内部被曝=経口摂取)
報道などでベクレル(Bq)をシーベルト(Sv)に置き換えた場合の数値が紹介されている。
定義・性質の異なる単位を正確には換算できないと思われるが、以下のように換算が行われている。
例えばホウレンソウ1kgにセシウム137が1000ベクレル(Bq)あるとする。
これに放射性核種に対する実効線量係数(表3参照)を用いてベクレルをシーベルトに換算する。
1000 Bq/kg × 0.013μSv/Bq =13μSv/kg となる。
<食物を食べる(飲む)場合は、計算が簡単のようです>
表3 実効線量係数 |
核種 | 半減期 | 経口摂取[Sv/(Bq/kg)] | 吸口摂取[μSv/(Bq/kg)] | 吸入摂取[Sv/(Bq/kg)] | 吸入摂取 [μSv/(Bq/kg)] |
|
ヨウ素 | I-131 | 8.04日 | 2.2×10^-8 | 0.0220 | 7.4×10^-9 | 0.0074 |
セシウム | Cs-137 | 30.0年 | 1.3×10^-8 | 0.0130 | 3.9×10^-8 | 0.0390 |
放射線線量
被曝の度数は、被曝した放射線線量によって測ることができる。放射線線量の単位系は、吸収線量と線量当量に大別することができる。
線量当量は、放射線が与えたエネルギーによって対象となった生体が受けた生物学的影響を表す尺度であり、シーベルト(Sv)という単位によって表される。
1)吸収線量
放射線が物体に照射されるそのエネルギーの一部は物体に吸収される。その吸収されたエネルギーの量を単位質量(kg)あたりで
算出したものが吸収線量である。
単位はジュール(J)/kgであるが、放射線量では 1グレイ(Gy)=1J/kgと定義しグレイを使う。
<ヨウ素、セシウムは、1Sv=1グレイ(Gy)>
2)線量当量
放射線が生体に与える生物学的影響を考えるとき、それぞれの放射線の特性により同一の吸収線量でも影響が異なる。
このことから、生物学的影響を共通の尺度で評価するために考案されたのが線量当量であり、吸収線量に修正係数を掛けることで求められる。 単位としてはシーベルト(Sv)が使用される
3)等価線量
等価線量 = 吸収線量 × 放射線荷重係数
放射線荷重係数は、放射線の種類によって値が異なり、X線、ガンマ線、ベータ線は 1、 陽子線は 5、 アルファ線は 20、
中性子線はエネルギーにより 5 から 20 までの値をとる。
4)実効線量
実効線量は、体全体への生物学的影響を測るために、各組織・臓器の等価線量に組織荷重係数を乗じたものの合計である。
組織荷重係数とは、各組織・臓器における放射線の影響度(放射線感受性)の指標となる係数であり、各組織・臓器がどれだけ放射線の影響を受けやすいかという度合いである。
組織荷重係数 |
組織荷重係数 | ||
組織・臓器 | ICRP103(I6) 2008年 | 小計 |
生殖腺 | 0.08 | 0.08 |
赤色骨髄、腸、肺、胃 | 0.12 | 0.48 |
乳房 | 0.12 | 0.12 |
肝臓、食道、甲状腺、膀胱 | 0.04 | 0.16 |
皮膚、骨表面、唾液腺、脳 | 0.01 | 0.04 |
残りの組織 | 0.12 | 0.12 |
合計 | 1 |
ここで、仮に被曝が皮膚のみの等価線量100mSvである場合、実効線量は皮膚の組織荷重係数0.01をかけて1mSvとなる。
(被曝しきい値などの記述で実効線量と等価線量が併記されている場合は,どちらの線量を示しているのか確認する必要がある)
実効線量を直接測定することはできないため、外部被曝の場合は個人線量当量を用いて算出する。
実効線量係数とは、各放射性元素でもその化学形態で被曝量はことなり、換算係数には大きく幅がある。
5)個人線量当量
実効線量・等価線量の求め方
身体に装着したガラスバッジによって、測定された1cm線量当量、70μm線量当量を基に実効線量および等価線量を算定します。
(放射線を扱う人々が胸につけているものです)
ガラスバッジを小中学生につける必要があるようです。=>福島県が実施予定
(国がやるべき対策です。 「ただちに影響がないです」と言っているようではダメです)