福島原子力発電所・事故 放射線量(20km以内) 初版:2011/8/22
1)放射線量
ようやっと20km圏内のデータが報道されてきました(2011/8/21読売新聞・朝刊2面)
(1) データは、表24-1をグラフ化しました。 大部分が1[μSv/h](年間8.7mSv)以上です。
文科省のHPをチェックするのですが、データが見つかりませんので、新聞情報からプロットして見ました。
(年間放射線量から、時間当たりの放射線量に換算しています)
(2) 政府も「原発周辺長期間住めず」になってきました。
(3) 20km圏内の情報が報道されてきました。ここの情報が全体を把握するが大事です。
本来ならば、危機管理として、3月からデータが報道されるべきです。
★方位別
図24-1-2は、方位別の放射線量です。 本図では北方向が予想に反して小さい値です。
方位に関係なく一様に放出されていると、見るべきでしょう。
表24 放射線量=年間推定被曝量
(年間推定被曝量は、今後1年間か、3月からの1年間なのか報道では不明です)
表24-1 年間推定被曝量 | 読売新聞から入手 | |||||
No | 場所 | 距離 km |
推定放射線量 mSv/年 |
放射線量 μSv/h |
||
1 | 田村市 | 18 | 7.7 | 0.88 | ||
2 | 田村市 | 17 | 6.6 | 0.75 | ||
3 | 大熊町 | 3 | 508.1 | 58.00 | ||
4 | 大熊町 | 2.5 | 393.7 | 44.94 | ||
5 | 大熊町 | 3.5 | 233 | 26.60 | ||
6 | 大熊町 | 5 | 198.1 | 22.61 | ||
7 | 大熊町 | 2.5 | 169.2 | 19.32 | ||
8 | 大熊町 | 2.5 | 143.4 | 16.37 | ||
9 | 大熊町 | 4 | 126.7 | 14.46 | ||
10 | 大熊町 | 7 | 99.5 | 11.36 | ||
11 | 大熊町 | 3.5 | 80.9 | 9.24 | ||
12 | 大熊町 | 11 | 24.2 | 2.76 | ||
13 | 大熊町 | 8 | 23.5 | 2.68 | ||
14 | 大熊町 | 14 | 21.6 | 2.47 | ||
15 | 浪江町 | 20 | 223.7 | 25.54 | ||
16 | 浪江町 | 9 | 148.5 | 16.95 | ||
17 | 浪江町 | 12 | 145.4 | 16.60 | ||
18 | 浪江町 | 20 | 145.1 | 16.56 | ||
19 | 浪江町 | 16 | 127.8 | 14.59 | ||
20 | 浪江町 | 11 | 61.8 | 7.05 | ||
21 | 浪江町 | 7 | 57.9 | 6.61 | ||
22 | 浪江町 | 14 | 38.3 | 4.37 | ||
23 | 浪江町 | 11 | 38 | 4.34 | ||
24 | 浪江町 | 8 | 4.1 | 0.47 | ||
25 | 二葉町 | 5 | 172.4 | 19.68 | ||
26 | 二葉町 | 7 | 126.6 | 14.45 | ||
27 | 二葉町 | 4 | 67.4 | 7.69 | ||
28 | 二葉町 | 7 | 66.9 | 7.64 | ||
29 | 二葉町 | 3.5 | 52.5 | 5.99 | ||
30 | 二葉町 | 7 | 45 | 5.14 | ||
31 | 二葉町 | 3.5 | 28.8 | 3.29 | ||
32 | 富岡町 | 6 | 115.3 | 13.16 | ||
33 | 富岡町 | 7 | 77 | 8.79 | ||
34 | 富岡町 | 8 | 39.5 | 4.51 | ||
35 | 富岡町 | 13 | 33.2 | 3.79 | ||
36 | 富岡町 | 10 | 29.6 | 3.38 | ||
37 | 富岡町 | 13 | 21.7 | 2.48 | ||
38 | 富岡町 | 10 | 13.7 | 1.56 | ||
39 | 楢葉町 | 14 | 15.4 | 1.76 | ||
40 | 楢葉町 | 15 | 13.1 | 1.50 | ||
41 | 楢葉町 | 16 | 5.1 | 0.58 | ||
42 | 川内村 | 19 | 11.4 | 1.30 | ||
43 | 川内村 | 16 | 7.8 | 0.89 | ||
44 | 南相馬市 | 18 | 53.1 | 6.06 | ||
45 | 南相馬市 | 13 | 12.4 | 1.42 | ||
46 | 南相馬市 | 19 | 11.8 | 1.35 | ||
47 | 南相馬市 | 18 | 6.5 | 0.74 | ||
48 | 南相馬市 | 14 | 4.1 | 0.47 | ||
49 | 南相馬市 | 11 | 3.7 | 0.42 | ||
50 | 南相馬市 | 16 | 3.6 | 0.41 | ||
No | 場所 | 距離 km |
推定放射線量 mSv/年 |
放射線量 μSv/h |
推定放射線量[mSv/年]=放射線量[μSv/h]×24h×365日
2)考察
(1) 本来では、この20km圏内のデータと予測(SPEEDI)との整合した情報をだして欲しいのですが、SPEEDIが機能していません。
SPEEDIは、責任逃れをしています。
放出放射能が公表されているのに、SPEEDIは放出量=1Bqで実施しています。(8月は2億Bq/hの放出量と公表されています)
(2) 多数の場所や20kmでも100mSv/年を超えています。 残念ながらこれが現実でしょう。
除染等で問題は解決せず、長期間放置(20〜100年)すべき状態と思われる。
土壌には、大多数がCs-137で、半減期が30年ですので、90年で8分の1になります。
(3) 広島原爆の場合は、順調に復興したのに、100年単位とは恐ろしい。(今回の放出量は広島原爆の26倍との説もあります)
(4) この公表値を鵜呑みにするだけでなく、現実的に考えて、自己責任で対応する必要があると考えます。
3)推定被曝量(5ケ月間:3/11〜8/11まで) 2011年8月23日読売新聞から引用
(1) 文部科学省のHPを調査しても、上図が簡単に見つからない。(8月23日)。後日ゆっくり調べます。
(2) 推定方法は、屋外8H、屋内16Hとして、40%低減としている。 (この定義も文科省のHPで解りづらい)
この低減なんて、やらずにそのままの数値で計算すべきです。
(この地域は農家ですぞ。農家は12時間も外にいることが一般的です)
細工をしない数値にする場合、1.66倍して考えてください。 「実測Sv=(推定Sv)/0.6=1.66×(推定Sv)」