福島原発・事故 放射能放出 初版:2011/8/19 改版:2012/2/19
1)放出状況
福島原発(構内)からの放射能の放出状況です。(8月18日:東電発表データをグラフ化しました)
(1-1)8月18日プレス発表
・直近の2週間程度(7月下旬から8月上旬)の西門付近の空気中放射性物質濃度から現放出量を最大で約2億ベクレル/時と推定
(事故直後に比べ約1,000万分の1)。
・これによる敷地境界の年間被ばく線量を最大で約0.4ミリシーベルト/年(暫定値)と評価
(これまでに既に放出された放射性物質の影響を除く)
(1-2)図23-3に、放出量・降下物質量・放射線量をグラフ化しました。
放射線量(μSv/h:折線グラフ・左スケール)は、文科省は発表のデータです。
放出量(棒グラフ・右スケール)は、発表値に24hを乗じて、1日当たりに統一しました
降下物質(棒グラフ・右スケール)は、1日当たりの降下量です
2億Bq/hが放出されているのには、驚きます。(約1,000万分の1になったと言っていますが、最初の数値が大きすぎます)
こんなに、放出していても安全と言っている理由が理解できません。
(2-1)10月17日プレス発表
放射性物質の放出量は、約1億ベクレル/時(1号機0.4億、2号機0.1億、3号機0.4億)
(3-1)11月17日プレス発表
放射性物質の放出量は、6,000万ベクレル/時(1号機、2号機、3号機)
水温(1号機37度、2号機70度、3号機58度)と安定。
<考察:水温が100℃以下になり、冷温停止に近づいてきたと言っていますが、放出量はそれほど低下していません>
(4-1)12月16日冷温停止状態
放射性物質の放出量は、6,000万ベクレル/時(1号機、2号機、3号機)
水温(1〜3号機 367度〜67度)と安定。
<考察:冷温停止状態と言っていますが、放出量はほとんど変化なしです>
注:放出量は、24倍してグラフ化(例 0.29兆Bq/h×24=6.96TBq)
2)考察
(1)敷地境界の年間被ばく線量を最大で約0.4ミリシーベルト/年(暫定値)と発表されているのですが、
観測されている放射線量から計算すると、達成されておりません。
正門で、28μSv/h、西門で、12μSv/hです
年間では、12×24h×365日=105,120μSv=105ミリシーベル/年です。
<敷地境界が、別の位置なのでしょうか?=>調査した結果、過去の放出量の影響を除いていることが判明しました(2011/10/2追記)
(2)敷地境界の年間被ばく線量を、約0.2ミリシーベルト/年(暫定値)と10月17日発表
年間では、11×24h×365日=96,360μSv=96ミリシーベル/年です。
< 「これまでに既に放出された放射性物質の影響を除く」 この言葉で、約0.2ミリシーベルト/年になるのです。
でも実際は、除染していませんので、96ミリシーベル/年の被曝を覚悟すべきです。 >
(3)放出量は、少なくなっていると公表されていますが、放射線量は、ほとんど変化しておりません。 (2011/11/18追記)
表23-3 放出量・降下物質・放射線量 | ||||||||||||
放射線量 | 公表:原発・放出量 | 降下物質(Bq/日) | ||||||||||
西門 μSv/h |
正門 μSv/h |
福島市 μSv |
水戸市 μSv |
新宿区 μSv |
Bq/h | Bq/h | Bq/日 | 栃木・降下 Bq/日 |
福島・降下 Bq/日 |
茨城・降下 Bq/日 |
東京・降下 Bq/日 |
|
3/15 | 2,434 | 11,930 | 24.24 | 1.712 | 0.809 | 約2000兆 | 2.0.E+15 | 4.8.E+16 | - | - | - | - |
3/21 | 273.2 | 1932 | 8.06 | 0.62 | 0.147 | 5,550 | - | 106,000 | 3,460 | |||
3/22 | 273.2 | 472.7 | 7.19 | 0.412 | 0.166 | 25,440 | - | 97,000 | 37,300 | |||
3/25 | 147 | 430.8 | 4.92 | 0.293 | 0.138 | 約2.5兆 | 2.5.E+12 | 6.0.E+13 | 1,292 | - | 579 | 210 |
3/28 | 102 | 216 | 3.84 | 0.239 | 0.113 | 332 | 23,790 | 95 | 52 | |||
4/5 | 53 | 117 | 2.50 | 0.166 | 0.089 | 約0.29兆 | 2.9.E+11 | 7.0.E+12 | 114 | 46 | 10 | 14 |
7/19 | 13 | 32 | 1.16 | 0.086 | 0.057 | 10億 | 1.0.E+09 | 2.4.E+10 | - | 70 | - | - |
8/17 | 12 | 32 | 1.23 | 0.086 | 0.058 | 2億 | 2.0.E+08 | 4.8.E+09 | - | - | - | - |
9/17 | 12 | 31 | 1.00 | 0.082 | 0.055 | |||||||
10/17 | 11 | 28 | 0.95 | 0.081 | 0.056 | 1億 | 1.0.E+08 | 2.4.E+09 | ||||
11/17 | 11 | 28 | 0.99 | 0.081 | 0.054 | 6,000万 | 6,000万 | 14.4億 | ||||
12/17 | 11 | 28 | 0.93 | 0.079 | 0.054 | 〃 | 〃 | 〃 | ||||
2012年 1/17 |
11 | 28 | 0.86 | 0.079 | 0.052 | |||||||
2/17 | 11 | 27 | 0.81 | 0.077 | 0.051 |
3)敷地境界の年間被ばく線量を最大で約0.4ミリシーベルト/年(暫定値)と評価 <2011/10/2追加>
(これまでに既に放出された放射性物質の影響を除く)
表23-3に示すように、西門の放射線量は、12μSv/hです。年間換算すると、105mSvになります。
なんと、過去に放出した量は、差し引いているのです。土壌に蓄積しているセシウム137を考慮しないのです。
<<こんなマヤカシ許せませんね>>